わかりきったことだけを、




ーー噂も憶測も関係ない、


お母さんが言ってたそれを、私は今ひしひしと感じている。

本人の口から出た言葉しか信じない。
自分が選んだ相手だから、信じることを疑わない。



「浅岡」

「…なにかな志葉くん、」



志葉と居るといつだって心臓がうるさい。
志葉と過ごす時間だけがあっという間に過ぎていく。

志葉の言葉や仕草ひとつひとつにドキドキしてしまう。


志葉のことで悩んで、泣いて、溺れてる。





「​───俺のこと好き?」




この感情を恋と呼ばず何と呼ぼうか。




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