わかりきったことだけを、



数学成績優秀者。ミステリアス。顔が良い。


それが、彼ーー志葉 智咲を構成する客観的三要素。



「知的な感じが好き。あと顔が好き」
「ミステリアスな感じも好き。あと顔が良い」
「黒髪色白長身。あと顔面が神」
「きっと彼女になった人にはきっとめちゃくちゃ優しくて甘いんだよ。いいなぁ」



​───手が届かないの分かってるけど諦めきれないよね、


そんな理由で密かにモテているのが、彼。




​ーーそれに対するは。



頭脳底辺。全部適当。顔だけが無駄に良い。


それが、私ーー浅岡 ゆらの を構成する客観的三要素。



「喋ると残念。顔は可愛いのに」
「全体的になんか適当じゃん?あの顔じゃなかったら成り立たない。けどそれすらも可愛い」
「変人って言うか、顔面の無駄使いっていうか。まあ可愛いからそれすらも許せちゃうんだけど」
「でも好きとかじゃないんだよな。見てるだけで良い」



───ほら、目の保養ってやつ、


そんな理由で目の保養にされている…らしいのが、私。


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