わかりきったことだけを、
噂というのはどうしたって耳には入って来るもので、私に関する情報には「顔は良いのに」「可愛いのに」という言葉が毎度付録みたいに付いてくる。
中学、高校と言われ続けてきたらそれは認識せざるを得ない。
どうも私は顔だけは良いらしい。
顔だけは、無駄に。
私と彼の情報は、どちらも第三者に勝手に分析されたもの。正しいところはもちろんある、というか、実際全てあっている。
そして、今。
' 変人で顔だけは良い'私は、'手が届かないのに諦めきれない'という彼に告白をされている。
私と志葉が同じクラスだったのはたまたまで、
補習の助っ人に志葉が選ばれたのも彼の成績が優秀だった故のこと。
私たちが関わるようになったのは全て偶然の産物だった。