わかりきったことだけを、
「…志葉のロマンは違った?」
花火の光で煌めく志葉の瞳を見つめる。
男女問わずのロマンってなんだろう。
志葉が思い浮かべていた花火大会のロマンはどんなのだったんだろう。
「……俺は、カノジョと花火大会に行くのが夢だったから」
「ほう」
「浅岡の浴衣姿見れて、いっぱい屋台でご飯食べて、花火見るだけですげー、幸せ」
「ほほう」
「だから浅岡がロマン、みたいな……とこある」
「はは、志葉ってばおかしー」
「いや真剣……」
志葉はバカみたいに正直者。
私のことが大好きだということがストレートで届く。