わかりきったことだけを、
「…うー」
「かわい」
「、っう"ーー」
「威嚇すんなよ」
「……なにひにきたの」
「浅岡に会いに」
「……」
「ふ、ほんとかわいい。どうしよ」
……バカじゃないの、ホントにさ。
そんなふうに優しく言えば私の機嫌が治るとでも思ってるんだろうな。「可愛い」なんて当たり前だし……って思うけど。
「…おぁ?」
「……むかつく、バカ志葉」
「……は、ツンデレー」
布団から手を出して、同じように志葉の頬をむにーーーーっと、思いっきり伸ばす。「あ、結構痛い」と志葉はへらりと笑う。…仕返しだ、ざまあみろ。
「ほっぺ熱い。熱のせい?」
「…そーだよ。志葉も熱い、し」
「浅岡のせいだよこれは」
「あ、そ」
「あ。また不機嫌になった」
「…志葉のせい」
「ねぇ浅岡、」
志葉が頬から手を離す。私もつられて彼の頬から手を離した。志葉の手が、今度私の頭に触れた。ずっと寝ていたせいでボサボサになってしまった髪の毛を治すように優しく撫でる。
「浅岡って、やっぱツンデレなんだよな」
「……はぁ?」
思いっきり顔を顰めたら「すげー顔」と笑われた。
私、顔だけは良いはずなのに。サイテーだ。