ベランダに21時、君に会いたい。
番外編《君しか見えない》
《礼央サイド》
「かんぱ〜い」
「……乾杯」
俺は、何故こんな場所で酒を飲んでいるのか……しかもこんな合コンに。なんで俺が。
「礼央も彼女つくりなよ。まだ引きづってんのかよ」
このストレートにものを言ってくるのは、大学時代からの仲の哉斗(かなと)。
「仕方ねーじゃん……好きなんだから」
「何も教えてくれなかったんだろ、彼女も彼女の親も」
そうだよ、何も教えてくれなかった……彼女はもちろん、おばさんも『ごめんなさいね』って言うばかり。
「あああ……!! もう、どうすれば」
「というかさ、なんで別れたの? そんなに好きなら」
「……付き合ってねーし」
「は……!? 付き合ってなかったってどういうこと? 」
そのまんまだわ……。