イケメン従者とおぶた姫。
世界と幻の国と精霊王。
この世界は滅びの一途を辿っている。

と、いうのも

約10年前辺りから、津波、地震、台風、日照りなど自然災害が多く、例年にない酷い災害ばかりが続いている。更には

10年前まで大人しかった、魔獣や妖魔が正気を失い人や動物、挙げ句は同族まで襲い喰らうようになってしまった。

人々は、それを伝説の“幻の国”に原因があるのではないかと噂していた。


この世界は8つの国(大陸)がある。

それぞれ、民族性で能力も老いるスピード、寿命さえ全然違うし国の特産品や気候、衣服や文化などそれぞれ違う。

魔法や波動の存在する世界。

しかし、魔法も波動も使える者は世界でも数少ない。

魔法で言えば、光、水、火など、それぞれの属性を一つ、小さなビーズ玉一つ分出せただけでも驚かれるほど希少である。

その希少さはほぼ波動も同じである。

この世界の波動とは、音、空気、様々なエネルギーの振動を操るのだが、主にその力を増幅させ発動させる。

その力を使えるものも希少だ。


魔導と波動にはそれぞれランクもある。

最低ランクのFから最高ランクの特Sまで存在するが、今のところ

魔導の特Sクラスは、現在0名。

波動の特Sクラスは、現在1名。

ーーーーー

魔導のSクラス、現在2名。

波動のSクラス、現在1名。


ーーーー


魔導のAクラス、現在5名。

波動のAクラス、現在10名。


ーーーー


魔導のBクラス、現在30名。

波動のBクラス、現在50名。


ーーーー


魔導のCクラス、現在250名。

波動のCクラス、現在500名。


ーーーーなど、ランクにより人数も限られてくる。ちなみに最下位ランクのFクラスに至っては


魔法、10000名。


波動、25000名



が、確認されている。

と、魔法、波動の力を持った者は世界中どこを見渡してもこのくらいしかいない。

そして、それらの力を持ったDランク以上の者の多くは城で働いている。

その世界を支える柱となっているのが、神秘の国“幻の国”と言われている。

幻の国は世界中にあらゆるエネルギーを送り、生命の維持、安定、自然の秩序を守っているのだと言われている。

しかし、ほとんどの人々は幻の国など見た事も無く

ごく稀に、その国へ行く事ができたという者もいたが、変わり者とか精神状態がおかしくなっているんだと病院に連れて行かれる始末。

ほとんどの人々は、幻の国の存在など本気で信じてはいなかった。

無いものとされている為に世界は8つの国しかないと思われていた。

だから、“幻の国”なのだ。


ところが、数年前に全世界が眩い光に覆われ、その光が消えた時

突如として

何も無かったはずの海の上空に、謎の小さな大陸が浮かんでいたのだ。


しかも、全世界の空に神々しい仮面を被った人物の映像が浮かび上がり

その人物は、こう言ったのだ。


『我は、精霊王国の王である。
世界は今、破滅の一途を辿っている。遅くとも30年後にはこの世界は滅びる。

何故なら、今まで世界に様々なエネルギーを送り自然の秩序を守っていた我が王国であったが、恐ろしい悪魔により世界を守る為の“宝の一つ”が盗み出されてしまった。

その為、我が王国は力を失いつつある。

世界の破滅を食い止める為にはその“宝”が必要。

よって、皆のものにはその“宝”を探し出してほしい。見つけた者には、褒美として“不老不死の薬”と“永遠と遊んで暮らせる財宝”を与えよう。』


と。

それを聞いた世界中の人々は、実在した幻の国と精霊王の褒美の内容に希望を見出し興奮したと同時に絶望もした。

冷静になって考えると、精霊王のいう『宝』の正体が分からないのだ。どんな形をして、どんな大きさ、色をしているのか。まったくの不明である。

それが知りたく、海の上に現れた幻の国へある国は飛行する乗り物に乗り、ある者は魔法で、ある者は波動術で飛行し行ってみたのだが強力なバリアーが施され入る事などできなかった。

何度、呼びかけても返事すらなかった。

しかも、精霊王が現れたのはその時の一度のみ。それ以降、何年も精霊王は姿を見せる事はなかった。
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