オフィスとは違う彼の裏の顔


チーン

エレベーターが6階に着く



「主任、僕の部屋で1杯だけ、飲みません?」


エレベーターから降りたところで、金木くんは私を誘う。


「明日は朝早いのよ」


「主任それ嘘ですよね?」


さっきまで笑顔で笑っていた彼の表情が一瞬にして氷のように硬くなった。



「えっ…?」


「だから、それ嘘ですよね?明日朝早いの」


「な、嘘な訳ないでしょ?」


嘘を見破られ焦ってしまう。


「主任が嘘をつく時は、左手で髪を耳にかけるんですよ。癖ですよね?気付いてませんでした?」

うそ⁉︎

私そんな癖してるの?


「ね、別に明日朝早くないなら、1杯飲みましょう」


ギュッと手を握られ、半ば強制的にエレベーターから降ろされ、彼の部屋へと連れ込まれてしまう。



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