オフィスとは違う彼の裏の顔
少しして
「抜くね」
そう一言。
「南央さん、ごめんなさい」
ベッドの上で正座をし、頭を下げてくる金木くん。
「いいよ」
ぽんぽんと頭を軽く叩く。
「でも…俺ッ」
何か言いかけるがグッと口を紡ぐ。
「俺は南央さんに…」
「倉庫に行って、金木くんと松本さんを見た時、すごく心が痛くなった。何も言えなくて、いつの間にか走って文ちゃんのところに行って。
何も考えられなかった。」
「待って…今の俺が言っても今更って感じで、言い訳にしか聞こえないかも知れないけど。
俺の話聞いてほしい」
私は何も言わず、ただただ頷いた。