オフィスとは違う彼の裏の顔
お泊り
「なーおさん」
朝出勤すると、文ちゃんが声をかけてきた。
「昨日、どうだったんですか?」
興味津々と聞いてくる。
だけど文ちゃんが思っているような返事はできない。
「ちょっといいかな」
デスクを立ち、ラウンジに向かう。
まだ金木くんが出勤していないことを確認する。
ラウンジの椅子に隣同士に座る。
「ごめんね、文ちゃんが思っているような展開じゃないんだ」
頭の上に「?」を浮かべ、きょとんとする文ちゃん。
「違う違う、金木くんのことよ!」
顔の前で手を横に振り、金木くんの名前を口にする。
「金木くん?」
なんで文ちゃんから金木くんの名前が?
「昨日ね、合コン終わる頃に金木くんからメールが来て、南央さんのこと聞かれたから、素直に那須くんとどっか行っちゃったって伝えたの。」
ほら、と金木くんとのLANEのやりとりを見せてくれる。
だから、あの場所に来たんだ…
「南央さんラウンジで何話してんの?」
「わっ⁉︎」
私の背後から、金木くんが顔を出す。