オフィスとは違う彼の裏の顔
「そんなに驚くことはないでしょ」
私の肩に額を押せ、ため息をつく。
ぐぐぐっと彼の顔を持ち上げる。
「もー、朝からそんなにイチャつかないでくださいよ」
少しばば臭い笑い方をする文ちゃん。
「金木くん、会社では名前で呼んだり、こうやってくっつかないでよね」
「わかりました…」
分かりやすくしゅんとする金木くんに
「その様子を見ると、良かったね金木くん」
「ありがとう、加藤さん」
なんだか2人だけでわかる会話が繰り広げられている。
「そうだ!だったら今度、Wデートしません?」
⁇
Wデート?
「いいですね」
デートなんてしたことがない私にとって、この後の2人の会話の意味はほんどん分からなかった。