オフィスとは違う彼の裏の顔
遊園地
「南央さん、これチケット」
金木くんが私にチケットを手渡ししてくれる。
「あれ?まだ買ってないよね?」
「これ、優斗が知り合いからもらったらしい」
そうなんだ
「優斗さん、ありがとうございます」
優斗さんにお礼を言い、ゲートを潜る。
しかもこのチケット
プレミアムチケットで、すべてのアトラクションにほぼ待ち時間なしで乗ることができる。
普通に買うと、ノーマルのチケットの倍くらいの値段がする。
そんなチケットをくれるなんて、なんて羽振りのいい人なんだろう
そんなことを考えながらも、どのアトラクションに乗るかをマップを見ながら考える。
「南央さんは絶叫系は乗れるんですか?」
「ええ、何回も連続では乗れないけれど、休み休みなら大丈夫よ」
「俺も絶叫系大好きです」
たまにでる“俺”という呼び方が、私は好きだ。
会社では基本“僕”と呼んでいるが、私の前では時々“俺”と呼ぶ。
どの基準で呼び方を変えているのかはわからないが、時々でる呼び方に胸が躍る。