オフィスとは違う彼の裏の顔
そして
成仏させるために呪文を一言唱える。
「成仏して下さい」
大きな声でそう叫ぶと、大きな2枚扉が開き、外の光が差し込む。
「はぁぁぁ…やっと出てこれた」
お化け屋敷の出口を離れて、近くのベンチに座り込む。
「南央さんが怖いのダメだなんて知りませんでしたよ」
金木くんも隣に座り、後の2人を待つ。
さっきまでの怖さはどこかに飛んでいき
狭い空間だった室内から、青い空が永遠に続く外に出てきたことに実感を覚える。
すると、お化け屋敷の扉が開き、中から文ちゃんと優斗さんが手をつないで出てくる。
「いやー、怖かったぁ」
自分の腕を掴みながら、少し身体を震わせる文ちゃん。
「南央さんたちはどうでした?」
「え、すごく楽しかったわ」
いきなりの質問だったため、少し慌てて返事をしてしまう。
「そろそろ出店とか空いてきたころかな?」
時間的にも昼食を食べようと話を変える。