オフィスとは違う彼の裏の顔
お昼を終え、テーブルを後にする。
その後はなぜか文ちゃんの提案で別行動になった。
文ちゃんたちが見えなくなると
「南央さん」
金木くんは私の名前を呼び、私の手を握った。
私もやっぱ誰かの前じゃ、手を繋ぐことは恥ずかしい
2人きりでも恥ずかしいのに
「午前は俺の乗りたい物ばかり乗ったから、次は南央さんの乗りたいやつに乗ろう」
私たちは地図を見ながら、次に乗るアトラクションを決める。
いくつかアトラクションを乗り継ぐと、さすがに午前もいろいろ乗ったため、28の三十路の身体には大きな負担がかかった。
「少し休憩してもいい?」
「俺もちょっと疲れたから、訊こうと思ってた」
きっと金木くんはまだまだ乗り足りないんだろうな
私に合わせてくれて、なんだか申し訳ないよ
そうこう考えながら、空いているベンチに座った。