心がわり

秋になって 私も 就活が始まって。

それまでよりも 会える日は 減ったけど。


私達は 頻繁に 連絡を取り合い

会えない寂しさを 埋め合った。


インターンシップや 面接の内容など

光司は 体験談を 話して

私の不安を 取り除いてくれる。


私も 細かい不安まで 光司に相談していた。


会える日は 光司の部屋に 泊まることが増えて。

時々は 近場に 1泊で出かけたりもした。


私達は 一緒にいる時間に 

ストレスを感じることなく。

自然体で 寛いでいたから。


「一緒にいて こんなに楽な彼女って まどかが初めてだよ。」

「私達 よっぽど 相性がいいんだね。」

「まどか 本当は 色々 我慢しているんじゃない?」

「まさか。私も 光司のそばは すごく居心地が良くて。寛いでいるよ。それより 光司。今まで どれだけ 彼女がいたの?」

「教えなーい。いいの。今は まどかだけだから。」

そう言って 私を 抱き締める光司。


「もう。ずるいんだから。」

光司を責める言葉は いつの間にか 

甘いため息に 変わってしまう。





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