心がわり
私は 光司を 裏切っているの?
違う。先輩と 食事しているだけ。
私は 何故 中井さんに 付いて来たの?
お礼は いらないって 断るべきだったのに。
私には 彼がいるのだから。
男性と2人で 食事なんて。
絶対に してはいけなかった。
中井さんが選んだ フレンチレストランは
おしゃれで 落ち着いた雰囲気で。
ゆっくり 運ばれてくる 料理。
「藤本さん 彼氏と 長いの?」
「はい。3年くらいかな。」
「へぇ。どんな人?」
「秘密です。」
中井さんの苦笑に 私の胸は キュンとして。
「中井さんは?彼女 どんな人ですか?」
「俺?俺は 彼女 いないよ。」
「またまたぁ。中井さん モテるでしょう?」
「モテないよ。俺 性格 悪いから。」
「うん。何か わかる気がする。」
「コラッ。そこは 否定する所でしょ?」
駄目だ… 私 中井さんを 好きになりそう。
それは 驚くほど 恐ろしい発見だった。