心がわり

「中井さん 職場では どうして 無口なんですか?」

鉄板に もんじゃを 豪快に流し込み

「じゃーん」と笑う 中井さん。


「んっ?どうしてかって?多分 藤本さんと 同じ理由じだよ。」

「えっ。私 そんなに 不愛想ですか?」

「そうじゃなくて。藤本さん 入行してすぐに 恋人いるって 公表してたでしょ?」

「でも 中井さん 恋人いないって?」

私達は もんじゃを かき回しながら話す。


「だからさぁ。そうじゃなくて…」

中井さんは 顔を上げて 私を見つめる。

曖昧に 首を傾げる私に

「藤本さんが 恋人いるって言ったの 男子への 牽制でしょう?俺も。誰にでも ヘラヘラしてると いらないトラブルに 巻き込まれるから。」

「ああ… 私も 最近は 無駄に 誘われなくなりました。」


「そんな気 ないのに 変に 勘違いされたり。本当に 好きな人に 誤解されたりするの いやじゃない?」

中井さんは 急に 真面目な表情をする。

私が 小さく 頷くと


「俺 軽い男じゃないよ?」

中井さんは 熱い目で 私を 見つめた。






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