心がわり
温かな 雰囲気で 食事は終わり。
押し問答の末 会計をした母に
「ありがとうございました。ご馳走様でした。」
祥太は 深々と 頭を下げる。
「どういたしまして。今度は 家に 遊びにいらっしゃい。」
母は 笑顔で 祥太に言った後で 私を見る。
「まどか 今日は 帰ってくるの?」
「帰るわ。明日 仕事だもの。」
「フフフ。仕事の時だって 帰って来ないくせに。ねぇ…」
母は 笑いながら 祥太に 同意を求める。
祥太は 照れた顔で 笑って言う。
「あっ 俺 送ります。」
「大丈夫よ。私が 一緒だもの。」
母は もっと笑って 私達の顔を見た。
自分の家族と 恋人が 一緒にいるって
こんなに 甘酸っぱい気持ちなんだ…
私は 祥太に 手を振って 母と 電車に乗った。