心がわり

プロポーズを 受ける決心は したけれど。

私達は 具体的に 動き出さないまま。

相変わらず 甘い時間を 共有していた。


春 入社5年目を 迎える祥太に 

異動の人事が 出た。


毎日 祥太に 会っていた私は 

とても 動揺して 涙を流す。


「祥太が いなくなるなんて ヤダ。」

「じゃ まどか。一緒に 暮らそうか?」

「うん。そうすれば 毎日 一緒にいられるね。」


多分 祥太は 私の心が 動くことを 待っていてくれた。

私が 祥太と 一緒にいたいと思うまで。

無理強いしないで ゆっくり待っていてくれた。


「人事課に 社宅 頼もうか?」

「今の部屋でも いいけど?」

「どうせなら 公表しちゃおうよ。結婚式は 後にしても。」

「そうすれば 春から 一緒に住めるね。」

「うん。部屋 広くなるから。もっと 楽になるよ。」


祥太は 異動準備だけでも 大変なのに。

私との生活も 整え始めた。






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