君がいたから

「結愛、お茶飲んで落ちつこう 」

ペットボトルのフタを開けて
口に近づけてくる蓮…


気持ちの悪い酸っぱさをどうにかしたかったけど
飲んだらまた吐いちゃうよ…


「………嫌 」


蓮の手を払ってしまうと同時に
もうしわけなくなってうつむく…


「気持ち悪いのに飲むのは怖いよな…
でも、口の中が気持ち悪いだろ？
お茶でゆすぐだけでも良いからほら 」


「…ありがとう。 さっきはごめん………」


全然気にしてないよ…とでも言いたげな笑顔で私の目を見て、お茶を口元に持ってきた。


お茶が口に入ると、ちょうど良い苦さで、
口の中にたまってた酸っぱさが緩和された。


「飲めなそうだったらここに出して良いからな」


ゆっくりとうなずく。

口に入れるだけならまだ大丈夫だったから
少しずつチビチビと胃の中に流してみる。


けど、胃の中にほんの少し入るだけで気持ち悪くて
一口の半分くらいは蓮が持っていた
容器に戻してしまった。