君がいたから
心を開いて 蓮side
「………結愛 」
毛布にもぐり込んでいる、結愛の背中を
さするとスース寝息を立てて眠ってしまった。
結愛、どうして ?
辛いことがあったらなんでも言って良いんだよ。
毛布からそっと結愛の顔を出すと涙の跡がたくさんついていた。
こんなに辛いのにひとり抱えこむなんて…
胸が締め付けられるように苦しくなって
結愛の悲しそうな顔を見てられなくなる。
『私の気持ちなんてわかってくれないもん』
強くなる外の雪を見ながら
結愛が言った言葉を思い出す。
たしかに俺には結愛の辛さはわからない…
苦しそうにしているのは、見ていればわかるけど、実際にそんなこと経験したことがないから………
だからこそすべてを聞いて、少しでも結愛の気持ちに寄り添ってあげたい。
そう強く思う。
結愛の寝顔と外の景色を交互に見る。
枯れた枝に次から次へと積もる白い雪は
まるで、結愛苦しみのようだった。
雪の重みでグラッと揺れる細い枝…
普段は見ても何も思わないのに
結愛の壊れそうな心を見ているかのように辛い。