君がいたから
ドアの方に視線を向けて見ると
陽翔先生と結菜さんがいた。
「蓮、おはよう
結愛相当辛そうだな 」
「結愛…………苦しよね…」
熱が出て顔が真っ赤な結愛を見ると、心配そうな顔を浮かべる二人。
だけど、俺の方を見て少しだけ笑顔になった。
「私も結愛を見てて辛いけど、
蓮先生が結愛のことを支えてくれるのが
何よりも心強いです 」
「そうだな 」
「俺、なんて力不足ですよ
すみません 」
二人のそんな会話にキリッ…と心が痛み
申しわけなくなって深々と頭を下げる。
結愛が辛い思いしているのに支えられてないし、
こんなに熱を出させてしまったのは確実に俺のせい…
昨日もっと早く結愛のところに行ってあげれば、
あんなに溜め込む前にしっかり話を聞いてあげれば、
今さらどうにもならないような後悔が頭の中をグルグルする。
2人とも娘が辛い思いしていて苦しいはずだから
俺がしっかりしないといけないのに
自分の声が少しだけ震えているのに
気がついてしまう。