君がいたから

気がつくと体が動いていて
ドアを開けて部屋に入って頭を下げていた。


「結愛っ………ごめんな

結愛の気持ち何もわかっていなくて本当に
悪かった 」


数秒間沈黙が続いたあと、結愛の顔をしっかり見る。

小犬が怯えているような目で俺を見つめる結愛…


「蓮…もしかして全部聞こえた? 」


「聞こえたよ 」


しっかり結愛と向き合うためにはっきり
伝える。


「…グスン…………ごめんなさい
私…最低なこと思ったし………
蓮にたくさん、ひどいことした…ヒック 」


涙が止まらない結愛を結菜さんは
俺のところに引っ張って連れてくる。


「蓮先生、結愛のことお願いします

結愛、お母さんはもう行くから
あとは蓮先生に相談しなさい 」


結菜さんを引き止めようとするものの
さっさと出ていってしまって結愛と二人きりになってしまった。



「結愛…………」


「…ごめんなさい 」


優しく名前を呼んだけど、さらに大きな目から涙がポロポロこぼれ落ちてくる。




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