君がいたから

「褒めるところなんてないよ………」

虚ろな目をする結愛…


「なんで、そう思うの？ 」

そんなことない…って言いたくなったけど
あえて冷静になる。


「だって、人に迷惑ばかりかけるから
蓮にもお父さんにもお母さんにも、友達にだって、いつも負担ばかり………」


また他人のことばっかり考えて

もっと自分勝手になっていいのに…

でもそんなこと優しい結愛に言っても無駄だよな。



やっぱりストレートに伝えよう
じーっと結愛の顔を見る。


「結愛、俺たちは迷惑なんて思わないよ。
大切な人が苦しんでいたらできる限りのことしてあげたいと思うのは普通のことだろ？
結愛は違うの？ 」


「…違くない」


ニッコリ微笑んで、結愛の顔を撫でる。


「結愛と意見が同じで嬉しいよ。
それに結愛は良いところがいっぱいあるから
みんなに愛されるの。それは理解してくれないと俺が悲しいから」


「………蓮が悲しむならそういうことにしておく 」


あんまり納得していないようだったけど
結愛の顔が少し明るくなった。