君がいたから
「結愛、じゃあ今回の治療終わったら
二人でどこか行こうよ 」
「えっ、いいの! ?」
パーッと顔が明るくなる結愛。
そんな結愛を見て嬉しさがあふれ出してくる。
「うん、あと10日頑張ったら、
1週間は治療おやすみだから 」
「やったー、なんか具合悪いのも治ったかも 」
ベットから体を起こす結愛。
心と体はつながっているっていうけど
熱が高いことは変わらないから今日は
これ以上はしゃがせないようにしないと
「体調崩すと行けなくなるからしっかり休む 」
「これ副作用だから関係ないでしょ。
でも、少しだるいから大人しくしてる 」
「じゃあ、ギューして寝ようか 」
結愛の顔が俺の胸の辺りにくるように移動させる。
そして、寝息を立てるまで背中をポンポン一定のリズムで叩いた。
時計を見ると、そろそろ昼休憩は終わりの時間だった。
ご飯は食べるのを忘れたけど
結愛の可愛い寝顔を見たら満足してしまって
そのまま、午後の外来診察に向かった。