君がいたから
「はじめまして、
俺、今日から結愛ちゃんの
主治医になる原田 蓮。
俺のことは蓮先生って呼んでね。
最初は怖いと思うけど、
少しずつ慣れてくれたら嬉しいな 」
怖くて目を瞑っていたけど、
丁寧にあいさつしてくれるから、
恐る恐る目を開いて先生を見た。
優しそうな目
通った鼻筋
男の人なのに、肌キレイで、まつ毛が長い
誰がどう見てもイケメンで優しそう
だと思う先生だけど、
思わず目が合わないように
顔を反らしてしまう。
あいさつしてくれている人に
そんな態度取るのは失礼だと自分でも思うけど、医者は敵だもん。
数秒間静かな時間が流れる…
確実に怒られる…そう思っていると
おでこに何かが触れる感覚がした。
何かと思ったら
蓮先生の手だった。
「いや………グスン」
涙があふれ出してくる。