君がいたから

ー1時間後

香帆と美月からもらったプレゼントをあけて
テンションが上がっていた。

香帆からはマフラーで、美月からは手袋。

ピンク色のふかふかな生地で
触り心地もよくて、心まで温まりそう。




「結愛、回診にきたよ 」

そして、いつもの時間に蓮がくる。


「蓮、元気だから退院したい 」


冗談で言っているのわかっているから
苦笑を浮かべる蓮…
だけど、すぐにいつもの顔に戻る。



「結愛、いいお知らせと悪いお知らせどっち
先に聞きたい? 」


「……………」


どっちも気になるけど、悪いお知らせとか嫌な予感しかしないから…

ないと思うけど、
万が一余命宣告みたいなことされたら………


「結愛……… 」


蓮は私の不安をよみとったかのように
顔を撫でてくる。


「…そんな怯えた顔するなよ
悪いお知らせってこれから採血するだけだから 」


採血の準備をする蓮…


採血って! ?
病状のことではなかったから力は抜けたけど

怯えないわけないよ。




< 123 / 220 >

この作品をシェア

pagetop