君がいたから

けっこう可愛くできたので、蓮の顔の前に持っていく。


「蓮、見てほらサンタさんだよ 」


「もう、折れたの?早っ
俺にもやり方教えてよ 」


かかった時間が2分ほどだったので、
興味しんしんな顔をして見てくる。


これは幼稚園のころお母さんに教えてくれたやり方。だから説明も簡単にできる。


「折れた。 結愛教え方上手 」


「すごい。蓮のも可愛い。顔も描いてね 」


「ああ 」


楽しそうにペンを手に取り折り紙に描いていく。

小さい子みたいな遊びだけど、昔の楽しい思い出までよみがえってきて幸せな気分。


いつか、蓮との子どもを作って、こんなふうに3人でいっしょに遊びたい…

そんな自分勝手な未来まで願ってしまった。


病気が治らないと蓮には言えることじゃないけどね。



あー…ダメダメ。病気のことを考えると暗くなる。

明るくなるようなこと考えよう。


あっ、そうだ。
病室をぐるぐる見回しているといいこと思いついた。









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