君がいたから
☆7苦痛
閉じられた部屋
幸せなクリスマスから4日ほど…
今日からまた、
抗がん剤の治療が始まるからもうテンションが下がっている。
「結愛、おはよう 」
ニコッと微笑んだいつもの蓮が入ってくる。
だけどその目の奥は悲しそう…
やっぱり、治療なんだと嫌でも思い知らされる。
「今日から抗がん剤またやるから部屋移動しよっか 」
「なんで ? 」
この前はここで点滴もしたのに…
蓮の顔色も曇ってきて、不安が大きくなる。
「結愛、ごめんっ。
この前の採血の結果が良くなってなくて
今日から、もっと強い薬を使うことになった 」
涙で視界がぼやけて、蓮の表情も見えなくなってきた。
だって、2週間あんなに辛い思いをしたのに…
なんで…? 効いてないの…?
「それで、結愛の免疫力がかなり落ちるから
今回は無菌室ってところで治療するよ 」
無菌室って何…?
どんなところなの ?
「抱っこするね 」
「……………」
怖いイメージしかないけど、
蓮に抱っこされて連れていかれた部屋は
私が想像していたよりも恐ろしい場所だった。