君がいたから
部屋の中にトイレまであって
ビニールみたいなもので囲まれているベット。
「結愛、今日から治療が終わるまで
この部屋から出ないこと約束して 」
初めて見る部屋に怯えているのに
恐ろしいことをいう蓮…
これじゃあ、私、幽閉されているみたいじゃん。
私、何も悪いことしてないのになんで ?
嫌だよ。そんなの。
「グスン…この部屋嫌なの。 もとの部屋に戻りたい」
滝のように溢れだす涙
だけど、蓮の手でしっかり拭われて
顔を合わせてくる。
「結愛、こんなところに入るのは嫌だと思うけど、
治すために頑張ろうよ。
寂しいとか辛いとか弱音吐いてもいいからさ 」
この前の治療も効いてなかったのに…
もう嫌だよ。
自分の体にイライラする。
だけど、 当たったらダメ。
蓮だって必死なんだから…我慢しないと…
手の甲で涙を拭く。
「…わかった。じゃあ入るね 」
悲しい 辛い 苦しい
そんな感情を全部押し殺してビニールの中に入る。