君がいたから
「かなり混んでいますね 」
「そうだな 」
病院から歩いて20分ほどの、小さな神社。
いつもはほとんど人通りもなく、寂しい雰囲気だけど、今日は辺りを見回すと人が多い。
屋台もあり甘酒を配る女の人もいて、
お祭りみたいな雰囲気。
でも、俺ら3人は楽しく騒ぐ気分はなく
ゆっくりと神社の鐘と賽銭箱のある方に歩いていく。
「結菜、蓮 」
重たい空気も流れる中、陽翔先生が口を開く
「今日は結愛の分もお祈りするんだから、今ぐらいそんな顔するな 」
「うん、わかった 」
「わかりました。すみません 」
陽翔先生の言う通り。
神様にお願いごとするんだから、悲しそうにしたらダメだ。
気持ちを切り替えて、列に並ぶ。
そして、5分ほど立つと順番がきて、5段ほどある階段を登り賽銭箱の前にいった。