君がいたから
「れ、蓮…血出てきた………グスン 」
私だって鼻血くらい出したことあるけど、
そのときとは明らかに違う量
ダラダラと流れて止まる気配はなく、パニックになる。
「…結愛、とりあえず、ティッシュで当てて、これ終わったらすぐ診るから 」
固定に入っていた看護師さんが、ベットに箱のティッシュを置いてくれた。
「ごめん…髄液抜くよ 」
ありえないほどの痛みと
ティッシュに大量につく血の恐怖で涙がふきだしてくる
「グスン………ヒック……ワーン……… 」
「終わったよ。背中からも血が出てくるから
絶対動かないで」
蓮は私の前にきて、少しだけしゃがんで鼻を
抑える。
そして少しだけ顔を下に向けられる。
「けっこう量多いな。でも、大丈夫だから
よしよし 」
いつもなら蓮に大丈夫って
言われるだけで安心できるけど、
今日は不安で不安で涙も止まらなかった。
こんなに血が出るなんて変だよ。
私の体どうなってるの…?
唇まで震えてくる。
「…グスン…………怖いよ 」
30分ほどで血が止まったものの
恐怖の固まりが心の中に残る。
ただものではないその怖さは
蓮の体温に包まれても、
消えることはなく
しばらくの間ずっと涙を流していた。