君がいたから
「ごめん………本当に無理 」
「そっか… 」
辛そうに顔をしかめる蓮…
自分でだって治療初めてから1日1日…
少しずつ痩せているのがわかるもん。
鏡にうつる自分はまるで皮がある骸骨みたい。
「結愛…さっき、陽翔先生と結菜さんが持ってきたゼリーかフルーツなら食べられる?」
蓮はビニール袋から、ゼリーとバナナ 、りんご、ミカンなどのフルーツを出してくれた。
りんごはタッパーに入っていて一口サイズにカットされている。
「…食べる 」
食欲なんてまるでないけど
お父さんもお母さんも蓮も心配してくれているんだもんね。
りんごを1つ口の中に入れると
甘酸っぱい味が広がった。
なるべく胃に負担をかけないように
よく噛んで飲みこむ。
「おっ、食べられるじゃん。
じゃあバナナ半分こしよう?」
皮を向いてくれて2つに割って私にくれた。
「結愛…おいしいね 」
「…うん 」
のみこむと胃がキュッとなるけど
甘いものは大好き…
とりあえず蓮が渡してくれたものは食べられた。
「えらいじゃん。 じゃあ今はこのくらいにしておこうな。
残り冷蔵庫にしまってくるから 」
「わかった 」
蓮が病院から出ていくと
体力が限界だったのか目も開けていられずにベットで眠ってしまった