君がいたから
☆8闘い
最後の手段
髄液検査から1週間がたった。
「…………痛い…痛すぎる 」
体のあちこちが痛くて、思わずそんな声を出してしまう。
髄液検査の日から気づいていたけど
なんだか体が変…
貧血も酷くてほとんど立てないし
全身あざだらけ…
抗がん剤もしていないのにほとんど食べられない。
何も知識がない私でも
明らかに悪化しているんだなと実感させられるほどだ。
だけどそのことを、蓮に聞く勇気はない。
自分の体のことだから知りたいけど、知ったときに、
自分が正気でいられる気がしないから…
怖いからギューッと目をつぶり
布団にもぐって震えていると、
誰かに布団を捲くられる。
目を少し開けると涙が浮かび、ぼんやりと視界に蓮の姿があった。
「結愛…これから大事な話があるけど大丈夫? 」
蓮の後ろにはお父さんとお母さんの姿もあり
嫌な予感がする。
視界もグラグラとゆがみ…
聞きたくないと頭だけでなく…体まで拒否しているようだ。
でも、その場から逃げ出すような体力なんてなくて蓮の手をギューッと握る。
心が恐怖に覆い尽くされて
ガクガクして手に力は入らないし
熱くもないのに手から変な汗が出てしまった。