君がいたから

「水、飲めそう? 」


「む………り… 」


「一口だけでも ねっ? 」


「…や…なの 寝る 」


眉を下げて心配な顔をしているのは

わかるけど、さっきみたいに

キツイ吐き気きそうだから絶対飲みたくない


「…じゃあ、脱水症状になっちゃうから
点滴で入れるな 」


それも嫌………


「新しく針刺すから少し痛いよ 」


やめて………怖い…


しゃべるのもダルくて
枕をビチョビチョにしながら…
点滴をされる。


痛いよ………


もうやめたいけど………
今回は辛いの 私だけじゃない…

蓮やお母さんの時間、お父さんの体…

が犠牲になっているんだから…

耐えないと。



蓮の手が目もとにきて

涙をひろってくれた。


「痛かったな

眠れそうだったら眠りな 」


蓮の声に安心するして軽く目を閉じたけど

まだ気持ち悪さが残っていたみたいで
眠れない。


それどころかうつ伏せになってしまったせいで、
胃の中からまた何かが上がってくる感じがする




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