君がいたから

もう無理…
そう思ったときには遅かった。


「…ゲホッ………オエ… ゲホッ……ゲホッ… 」


口からドバッと出てきて

ベット、服

顔にまで

ツンとする臭いの胃液がかかってしまった。


ヒリヒリ、皮膚が溶けるような痛みがする。


「…結愛、苦しかったな
水くんできたからすぐ顔洗って 」


胃液という酸性の液体が顔にかかり緊急事態だったから

少しだけビニールのカーテンが開けられて

水の入った洗面器が目の前に置かれた。


「グスン………ごめんなさい…
………汚いからあっちいって」


こんなにみじめな姿蓮に見られたくない

臭くて、汚くて

まるでゴミのような自分。


「何言っているんだよ。とにかく顔に水かけるから 」

冷たい感覚がして
嫌な臭いやヒリヒリ感がなくなっていく


そして、真っ白でフカフカのタオルを顔にあててから

ニコッと笑って頭を撫でてくれた。


「俺が結愛に対して汚いなんて思うことないから。
安心して。 大丈夫だから」



そう言い汚物の掃除までやってくれる蓮


「………ありがとう でも本当ごめん」


気持ち悪さで下を向いて耐えていたけど、
蓮に顔を向ける。



< 183 / 220 >

この作品をシェア

pagetop