君がいたから

強烈な吐き気から、3日たった。

今日はまだなんとか吐き気のほうは平気だ。


熱もあり、かなり体調は悪いものの
なんとか部屋のトイレくらいは自力でいけたからホッと胸をなでおろす。


だけど口の中がすごく痛い。

舌で触って見るとポツポツするような変なできものが口の中にたくさんある。

口腔内が荒れているみたいで血の味までしてきた。


「グスン………痛い 」


うっすら目に涙を浮かべていると…

蓮が回診にきてくれた。


「結愛、大丈夫?
今日も辛い? 」


ビニール越しにマスク姿の蓮の顔がうつる。


「辛い…頭ガンガンする…
それに……… 」


口のことは隠そうかな…
痛いことされそうだし…


「それに…? 」


「なんでもない…でも、熱あって辛い 」


少しだけ蓮から目をそらす。


「結愛…何か隠し事あるでしょ?
体でも心でも辛くなったら言って 」


ビニールの穴から手だけ入れて

顔の周りをなぞるように指で撫でてくれた






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