君がいたから
「口の中痛いよ…グスン
変なボツボツある あと寂しい 」
「よしよし、本当のこと言えて偉いよ
今日もなるべくそばにいるからな
お口あーんしようか」
「………………」
ためらっていると
指が口もとにきて、グイッと開けさせられてしまった。
ライトを照らし口の中を見る蓮。
「これは、痛かったね
副作用で口内炎できちゃったか
薬塗ったら少し楽になるからな 」
自分の唾でも染みるくらい痛いのに
何か塗るとかありえないよ
「…嫌…そのままで大丈夫 」
「結愛の大丈夫は大丈夫じゃないから
それじゃあ、お薬頑張れたら、少しだけ抱っこしてあげる 」
「…えっ いいの? 」
必要最低限以外は蓮はビニールの中に入れないのに…
「どちらにしても…固定するために
ここ入らないとだから 」
久しぶりの抱っこ…
気持ちが揺らぐ。
でも、やっぱり蓮の温もりがほしい…
「………うん…抱っこしてくれるなら…頑張る 」
「えらいよ
薬持ってきてもらうね 」