君がいたから


「結愛、夜中も辛かった?
泣いてたよな… 」


看護師さんが薬を持ってきてくれるのを待っている間、蓮がそう聞いてきた。

蓮の視線は私の枕。
そこには涙でつくった大きなシミがある。


「辛かった、眠れなくて 」


実は昨日気分の悪さで夜寝付きが悪かった

熱も高くて、苦しくて………寂しくて
口の中もだんだん痛くなって
結局明け方くらいまで、眠れなくて泣いていた。

何度か蓮がきてくれたのは知っているけど
夜中だったから、泣き声は押し殺して
顔に布団をかぶって寝たふりをしていた。


「そういうときは、必ず言うこと
また我慢して。でも見にいったのに気づいてあげられなくて悪かった

目もこんなになって、よしよし」


朝起きたら目も顔もパンパンに腫れていた。

だから蓮は抱っこしてくれているなんて
さっき言ってくれたんだね。


辛いのに心がポカポカ温まってきた。




それから少しするとドアが開き看護師さんが入ってきた。



「薬持ってきました 」


「ありがとう そこ置いて 」


「はい 」
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