君がいたから

「結愛はさっきは移植片対宿主病の合併症により心臓が危ない状態でした。
でも今は免疫抑制剤で安定しています

ただ、結愛の体が弱っていてまだ油断できない状態です」


明らかに顔色を変え、 結菜さんのすすり泣く声がする。
肩も小刻みに震わせている


陽翔先生の前ではたくさん泣くらしいけど

俺の前で泣いたのは結愛が病院を飛び出して

いなくなったときと今日だけ…


いつも結愛のことを励まして
陽翔先生のことも妻として支えて
本当に強いと思う。
そんな結菜さんの涙は見てて辛い。


だけど、俺がしっかりしないと
絶対守るって約束したんだから。


「…頼りないと思いますが、俺が全力を尽くします 」


「うっ…ヒック すみません…
蓮先生は頼りなくないです
いつも結愛のこと守ってくれてありがとうございます 」


目をゴシゴシこする結菜さん

しばらくはポロポロと涙をこぼすけど
少し落ちつくと俺の目を見る。




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