君がいたから
「結愛…また明日もくるから………」
このまま結愛と二度と会えなくなってしまうかも…
そんなこと考えたくもなかったけど
心のどこかでそんな不安もあり、手も足もブルブルと震えながら、結愛から離れる。
「蓮先生…心配な気持ちは私も同じですが、
結愛のこと信じてあげて下さい。
結愛は蓮先生のところに戻ってきます 」
無菌室から丁度出ようとしたとき、
結菜さんのはっきりとした声が聞こえた。
誰よりも強そうなその声で、自分のバカさに気づく。
そうだよね…
結愛は絶対元気になってくれる。
なのに俺が弱気になっていたらダメ
結愛が目を覚したら、一番に結愛を抱きしめたい。
陽翔先生と結菜さんより先に抱きしめるなんてって思うけど…それでも結愛をひとり占めしたい。気がつくとそんな前向きな気持ちに変わってた。
「本当にありがとうございます 」
しっかりと頭を下げてから、病室を出て家に帰った。