君がいたから
「あなた、あんな状態なのにもと世界に戻りたいの? 」
混乱がどんどん大きくなっていく中
上からそんな声が聞こえてきた。
見上げてみるとそこには、
白いキレイな着物をきた女の人。
血色もなく無表情で怖さも感じて逃げる。
でもさっきのように思うように体が動かない。
痛い…苦しい…上手く呼吸ができない…
「あなたは今、生きようとしているから苦しいのよ。
死ねば痛みも苦しさも感じないのに…
あなたは死んだら天国にいく運命なんだから
案内しましょうか? 」
うっすら微笑む女の人…
「私は生きたいの。こっち来ないで 」
その女の人は私を苦しめようとしているわけじゃない…
けど死ぬことにとてつもない恐怖を覚え叫ぶ。
だって蓮に会いたい。
生きるのがどんなに苦しいことでも、
痛いことが待っていたとしても
蓮のそばにいられるならそれでいい。
それに、お父さんとお母さんにも親孝行したい。
病気になる前でも大切な存在だった。
でも、病気なってからすごく心配されて大切にされていることに気づいてしまったんだもん。