君がいたから
忘れていたならもうやらなくて良いのに…
そんな心の声は聞こえなくて、
服に手をかけられボタンが外されて
聴診器を当てられる。
「結愛ちゃん、リラックスだよ
吸って、吐いて 」
しばらく蓮先生の声に合わせて呼吸
していると聴診器が肌から離れる。
「結愛ちゃん、ちょっと汗で服が濡れちゃったから、着替えよう 」
ボタンを閉めようと服に手をかけると
お父さんが持ってきてくれた
入院セットが入っているバックを
私のそばに置いてくれた。
気を使って違う方向を向いてくれて入るけど、男の人が近くにいるのに着替えるとか無理だから…
「着替えさせてほしいのかな? 」
私が何もしないからって………ひどい
「違うから、出てってよ
じゃないと着替えられないよ…」
蓮先生にとっては、お子さまかもしれないけど
一応高校生なんだから…
「結愛ちゃん、冷たいよ…
じゃあ、着替えたら呼んでね 」
「…うん わかった 」