君がいたから
文化祭の日
今日少し寒いけど晴れていて、
過ごしやすい気候だった。
今日は、一般公開で学校外の人もくるから
お父さんやお母さん、それに蓮先生もきてくれる予定。
「あっ………」
蓮先生の顔を思い浮かべたとき、
文化祭のカフェで出すケーキを
切っていると…
ナイフで少しつぶしてしまった。
「失敗した…
ごめんね… 」
「全然、私もさっきやったから大丈夫だよ。
でも、器用な結愛が失敗するなんてね 」
「なんかいつも落ち着いている結愛がそわそわしているし。 あっ、もしかしてこの前言っていた好きな人でも来るのかな ?」
美月と香帆がフォローしてくれるものの
好きな人について問いつめられる。
自分の気持ちには気づいてしまった
けど、そのことを二人には話してないのに
なんでよ。
「好きなんて言ってないもん 」
「顔に出ているよ 」
「結愛は単純でわかりやすいからね 」
絶対、私のことからかって
楽しんでいるよね。
蓮先生…
本当に来てくれるのかな?
頭の中はウキウキして落ちつかないけど
手だけはどうにか集中させて動かしていると
外で接客をしていたクラスメイトがこっちに来る。
「結愛のこと探している人がいるよ 」
「ほら、行っておいでよ 」
香帆に背中を押される。