君がいたから
「結愛、ちょっとこんなに熱あって
大丈夫じゃないよね。早く病院行こう 」
「私、体支えるから立てる? 」
香帆と美月の声が聞こえて、
重たい頭を上げる。
お父さんとお母さんには
今日はテスト中で寝てないからって
ごまかしたけど、こんなに熱が上がっていると、
家に帰っても絶対に病院に連れて行かれるから、病院に行かないという選択肢はもう無いみたい。
「美月、ごめんね… 」
美月の腕に掴まりなんとか立つと視界がグラッ…と揺れて
一瞬目の前が真っ白になる。
ギリギリ立っていられるくらいだけど
貧血の症状がかなり出ているということ
がわかる。
「結愛、辛そうだから背中乗って」
「私、重いから。
それに、なんとか歩けるし 」
「結愛が重いとか言っていたら
私どうなるのよ。とにかく今は無理しない」
「………うん 」
美月の背中に乗る。
「じゃあ、私、美月の荷物持つね 」
香帆は3人分の荷物を持ってくれた。