君がいたから
病院に着くと
嫌な消毒液の臭いがただよう…
今日は外来診察だったので、
受け付けで保険証を渡して待合室の椅子に
座って、準備を待つ。
「結愛、今日は偉いじゃん
いつもなら病院行くとしたら
大暴れで連れてこられるか心配だったけど 」
「やっぱり、蓮先生のおかげでしょ
結愛のお気に入りの 」
病院に来られただけで
友達に褒められる私って…いったい
そう思うけど、
2人の言っていることは間違っていない。
いつもなら意地でも行くもんかって、
抵抗するけど、蓮先生が診てくれるから
怖いけど安心できる。
Lineでは相談できなかったけど
助けてほしい…って気持ちも
心のどこかにあったから今日は
大人しくここまできた。
「高橋結愛さん、診察室にどうぞ…」
目をつぶっていると、
看護師さんに呼ばれたから立つ。
「結愛、歩ける ? 」
「うん… 大丈夫 」
近いけど体調悪いと遠く感じる、待合室から診察室…
立ちくらみはするものの
歩けないってことはないから
なんとか診察室の前まで行きドアを開ける。