君がいたから
「えらいな。
なるべく痛くしないように頑張るから
リラックスして 」
蓮先生に頭を撫でられてから
椅子に戻されると
腕をとられてゴムみたいなものが巻かれる
採血って、点滴や注射よりも長い時間
針を刺されるから本当に無理。
それに、私は血管が細いみたいで
失敗されたり、針でグリグリやられたり
したことがあるから怖すぎる。
「…何回も刺さない ? 」
蓮先生のこと信用しているけど
ついそんな言葉がポロッ…と出てしまう。
「1発で終わらせるから
安心して。目つぶっていてね」
ギュッ…と目を閉じると
冷たい液体が腕にぬられて
いく感覚がする。
そして、すぐに、痛みを感じる。
「痛い…グスン 早く終わりにして… 」
「もうちょっと、あと5秒だよ
5 、4、3、2、1 はい終わり。
よしよし我慢してくれてありがとう」
蓮先生のキレイな人さし指が目に触れて
そっと涙をすくってくれる。
そして、私の血液が入った試験管を持って少しだけ違う部屋行ってから
私の隣に椅子を持ってきて座ってくれた。