君がいたから
「検査結果すぐ出るから、
ここでいっしょに待ってようか 」
…嬉しい
特に不安を感じている今、蓮先生が
そばにいてくれるだけで安心する。
でも………忙しいんでしょ…?
「先生、仕事は?
一人で待ってるから。大丈夫」
「脱走しないように
見ているのも仕事だから。
それに結愛ちゃんのそばにいたいから 」
…ドキッ
「…患者は私だけじゃないでしょ? 」
口では、私だけ特別扱いしてほしいなんて
言えなくて普通のことを言うけど
体は正直で、気がつくと蓮先生の手に
自分の手を重ねてた。
「結愛ちゃんは辛いのに他の患者さんまで
心配してくれて優しいね。
でも、今は俺がこうしていたいの
我儘でごめんね 」
「ううん…ありがとう 」
指から手首まで、ぬくもりに包まれる。
視線を手に向けると
蓮先生の大きな手に握られていた。
「蓮先生の手大きいんだね
落ちつく…」
このまま、ずっと時間が止まってくれれば
良いのに…
無理だとわかっていても
そう願ってしまう。