君がいたから
「結愛ちゃん、だっけ?
もう呼吸苦しくない? 」
「大丈夫です。
すみません、ありがとうございます 」
久しぶりの発作で体力は消耗して
ゼイゼイ息切れしているものの
なんとか喋れた。
「結愛、私の彼氏の健人だよ。
医大生だから具合い悪いの隠しても
バレるからね 」
ギクッ
だからあんなに手際が良かったのか
1人納得しているけど、
医療知識のある人に診られるといろんな意味で
まずいから距離を置いた。
「結愛ちゃんは医者が嫌いみたいだね
でも、その体調だと放っておけないよ 」
「まぁ、健人の言うとおりだけど
何か事情あるみたいだし
とにかく着替えてから話そう 」
話したくないけど
問答無用で病院に連れて行かれないだけマシか
美月の部屋に連れて行かれて
着替えて、髪を乾かしてもらった。
「ごめんね…美月 」
「ううん、謝らないで、
友達でしょ 。ちょっと待ってて 」
「…うん」
美月はリビングでホットミルクを入れて戻ってきてくれた。
「これ、飲んで
体、冷えてるでしょ。」
「…ありがとう」
冷えきった体はポカポカと温まってきて
それと同時に涙がこぼれる。