君がいたから
「結愛、2人だけだから何でも話して
無理矢理病院連れて行ったりもしないから 」
真剣な表情で私を見つめてくる。
「私…白血病の可能性が高いみたい…」
白血病…
自分で言っておいて、
胸が押しつぶさせそうになる
美月の顔も、
悲しそうな表情にかガラリと変わる。
「それで、蓮先生の話を聞くのが怖くて
病院飛びだしてきた 」
シーンとした重たい空気の中
5分ほど時間がすぎる。
沈黙を先に破ったのは美月だった。
「…ごめんね、結愛、何て言ったらよいのか
わからない。でも、蓮先生には連絡して。結愛のことすごく心配していると思う」
「…そんなことないよ 」
あんなことしたら
いくら優しい蓮先生でも愛想つかすでしょ
逃げ出したりする人なんて
どうでもよいに決まっている。
「結愛、ちゃんと連絡しないなら
これから強制的に病院だからね
連絡するなら今日はうち泊まって良いから」
さっき無理矢理連れて行かないって言ったのに…
そう口に出そうと思ったけど
涙目の美月にこれ以上何も言えなくて
スマホを開く。